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こんにちは。サイちゃんです。
プライベートブログも立ち上げてます)
 

ボクがデザイナーとして
装丁(ブックデザイン)というものに関わって、
学生時代を入れるとかれこれ25年程経つかと思います。

 

最初は、美大の授業とは違い、
「デザインの現場」を経験したいのと、
一方では、イラストレーターという職業になりたかったので、
人脈作りにでもなればいいなあと……デザイン仕事は、
正直言うと腰掛け的な部分もあったと思うんです。

 

極端な言い方をすると、
「キツ~~~い肉体労働よりwは、
自分の得意な分野でバイトできればいい」

そんな捉え方をしていたかもしれません。
(言い過ぎかw)

 

いやあ、学生時代なんて「自覚」もないですし、
フラフラ~~~としたものですよww
特に自分はそう感じますね〜〜。

 

なんか、根拠のない自信ばっかあって….
どうしようもなかった…ヘボい(苦笑

 

当時、住んでたアパートの近隣に、たまたま
その出版社(自費出版です。詳細はコチラ)があったんで、
これは好都合!と大学3年の時から働かせてもらったんです。

 

ただ、徐々に「装丁」というものの面白さを感じていったことは
確かです。この記事でも書いてますが、本の顔を作るわけですから、
例えば、それはポストカードの絵柄面をデザインしてるのと同じなんですよね。

 

1枚の絵をデザイン、製作してることに変わりないんです。
これは美大浪人時のデッサン、
平面構成と同じ心構え
でできるんです。
それが背もあり、裏面(表4)もある。というだけ。
立体的な考え方は必要ですが、基礎はまったく同じ。です。

そのアルバイトで求められたのは、

・2色印刷という条件のもとでいかに見栄えのあるものを作れるか。
・(自費出版の)著者を満足させる。なおかつそれ以上のデザインを製作すること。

これが2大課題でした。
文字通り、著者様が自費を出して出版するため、
顧客満足度が高くないとしょ~~~~もないっw

 

書店にも流通させる事は可能ではありましたが、
ほとんどは著者様の手元へ。

お客様は、自分の半生記だったり、何かの記念出版だったり、
はたまた次へのステップのツールとして使うとか、
知り合いに自慢wwもとい宣伝、販売するとか。
なんです。

 

で、著者さんたちも完全にプロではないのでクオリティ的にはムムムな絵や、写真を
自分の装丁に使ってくれとくるわけです。(悪い意味ではないですw)

 

できる限りリクエストを聞く。これも条件だったんで、
いかにそれをカッコよく、オシャレに。実像以上wwに感じるような
「著者さんが気持ちイイ」装いをつけられるか。キモはそれなんです。

2068

↾↾当時の2色印刷の装丁仕事群。
 

なので当時、技術的な面でも、アイデアの側面からも
「装丁」をけっこう研究してました。

 

装丁界の巨匠、菊地信義氏は、
一般書の他、詩集なども数多く手掛けていて
2色印刷でも非常に魅力的なお仕事をされていたんです。
特に明朝体(フォントの話)の使い方が秀逸で難しい斜体をかけたり、
文字の際をボカし独特の叙情的な雰囲気を持たせ、
文字自体がたつ、存在感のあるデザインに仕上げたり、

 

紙の特長をいかした使い方
(ほとんどが紙の表情で勝負!文字は黒1色のみetc)をされたり、
ボクの製作環境では参考になるところばっかり!
作品集を買い込んで…かなり勉強させてもらいました。

 

そのほか、
一世を風靡した戸田ツトム氏の、
写植(写真植字)の….星が降るような小さい文字群をデザインに食い込ませる手法…
それでいてフォントの組み、詰め具合、1文字、1文字に神経をとがらせたような
哲学的でシャープなデザインをどうにかマネしようとしたり……

 

また、その時期にものすご~~~い勢いで名前を売り出してきてた
鈴木成一氏のバリエーションという言葉が軽く聞こえそうなくらい、
幅広いそのデザイン力に圧倒され、本屋に行くたびに氏の作品を探し出し、
食い入るようにデザイン手法を探求したり…..ww

 

氏はそこから、装丁界の大スターになっていかれました。
なんだか目立つ装丁はほとんど鈴木成一デザイン室じゃん。
みたいな時代もwwホントに憧れていましたw

 

それはそれは……..興味があるからこそできるデザインの勉強
そう、最初は腰掛け的なモノが
いつのまにか「好き」になっていたんです。

 

思えば、どっぷり「装丁」というものにハマっていたのかもしれません♪

 

そんな生活を送っていて…
ちょうど、ボクがブックデザインに絞って仕事をやっていこうと
決意した仕事。それは赤塚不二夫先生
「ギャクゲリラ」
「レッツラゴン」
このコミックシリーズの仕事が決まった時と記憶してます。

 

いずれも1970年代~の作品だったので、
すでにコミックは存在してたんですが、
その出版社で装い新たに。という体でした。

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おおおっ、あの赤塚先生か~~~っ。
って大きいプレッシャーを感じながらも、
一方で嬉しさもある…..
複雑な感情が入り混じってたのを覚えてます。

プリント

↾↾ターニングポイントの仕事。地模様にマンガコマを配して….ww⇁赤塚マンガが電子書籍でコチラ

 
 
なにせ12巻づつ。計:24巻をデザイン。ベースデザインはあるものの
色、キャラクター、地に敷くマンガの彩色(指定)もすべて変える。
帯も有名タレント、著名人のコメントが入る。
電車の車内刷りポスターも作るらしい。
となかなか大きなプロジェクトだったんです。
 
 
ウン。いま考えてもイイ仕事だわ(笑
いまこそやりたい仕事!!
 
 
コミック装丁というのも、やりたい分野でしたし、
これは友人にも「報告できる」仕事だなwwwと。
 
 
なんですが……採用されたデザイン案….
上の画像見るとサもない感じですが、
地模様としてマンガのコマを配してるんです。で、その地色は
特色なので、4色とは別版を作らなくてはいけない。
ということはマンガコマをヌキアワセた版が必要。
(専門的な話でスンマセン)
 
 
イラレじゃなくてフォトショで画像の一連作業やってるから…。
印刷ミスが起こる可能性アリ。それを回避するためにできるだけ、
印刷所は作業をやりたがらない。
じゃあ、ボクがやります。ということで….
 
 
ワケわからんかもしれないんですが….
 
 

まあ、めちゃくちゃメンドクセ====作業をやってたんです。

買う人はそんなこと知ったこっちゃないですけどネ(笑
ハイ。それでイイと思いますw
 
 
しかし、そのメンドクセ==度と達成感は比例してたんですね!
これはプラス感情の積み重ねとなり、巻が増えていくたびに
経験値は増え、知らない間にデザインの力として蓄えられて
いったんじゃないかなあって思うんです。ウン。
(自分で言っちゃってますが…お許しを…ww)
 
 
「装丁」の世界に、バイトで、しかも腰掛けで入ったはずなのに、
数年後にあの「赤塚不二夫」先生のコミック装丁をこなしてるわけですから….
学生時の自分が知ったらビックラコキマロw状態ですよw
 
 
人生って何がターニングポイントになるか、
ホント分かりゃしません(笑
 
 
この仕事をきっかけに、通常の単行本とともに、
コミックも本屋に行くたび注意して見るようになりました。
それはマンガ自体を見たいというより、
デザイナー目線でコミック装丁を研究するwという観点で。デス。
 
 
日本の(他国のそれに詳しいわけではないですが)
コミック装丁ってすんごくレベル高いと思いますね!
 
 
マンガもライバル本が多いわけですから、
タイトルにも既成フォントでなく、
作り文字でその内容に沿った独特のタイポグラフィを作成し、
特長付け、差別化を図ってると思います。
 
 
普段、ボクの仕事では作り文字は「読みにくい」って
問題が付きまとい….敬遠されがち。
結局、通常フォントに戻す。みたいなケースも多いんですが、
コミックのそれは、その冒険心が箔をつける。ようなところもあるんじゃないかと….
(「BLUE GIANT」のように1巻ごとにタイトルデザインを変えるっていうのもありますね)
 
 
またライトノベルやBL(ボーイズラブ)の本も
デザイン面から見ると、透明感のある繊細な表現で読者を引きつけるように
作られてますね。ひじょ〜〜〜〜〜に勉強になるんです。
 
 
あっ、ボクはそっち系じゃあありません。念のためw
この話題については、また1記事書かせてもらおうと思ってます♪
 
 

↾↾特にこの本はオススメ!コミック、ラノベ装丁デザイナー名鑑。
ボクのイチオシは名和田耕平氏!センスの塊!
 
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iroha-head
 
ではでは、今日はこの辺で。
 

追々伸:デッサン、イラスト描きに効く!本のレビュー頁を作成しました。ココ。今後もどんどん加えていきますネ。

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